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Nakagawa Michiko

2008年2月18日、午前7時16分にエバンゲリッシュクランケンハウスにて

更新日:2020年1月6日



2008年2月18日、午前7時16分にエバンゲリッシュクランケンハウスにて、第2子となる男児

を自然分娩にて出産しました。


ドイツで妊娠をして、まず初めに悩むことは、病院のことでした。

幸い、デュッセルドルフには、中川先生がいらっしゃいますので、健診等で通う事になる産婦人科は悩むことなく、決めることが出来ました。

言葉の面でも不安も無く、そして女性でいらっしゃる先生の所で診てもらう事が出来てよかったです。


次に考えることは出産を日本でするのか、ドイツでするのか、ドイツでするとなるとどこの病院で産むのかでした。

私の場合は、一人目は日本での里帰り出産でした。

言葉の面での不安もありましたし、日本から手伝いに来てもらえる人がいなかった事、そしてやはり初めての出産でしたので、日本への里帰り出産に決めました。

主人が出張等で居ないことが多いため、やはり手伝い無しだと厳しいかとおもいました。


今回の出産では、出来ればドイツで産みたい!と思いました。

それは、上の子を連れてしかも私自身妊婦という身体でのフライトは大変だということもありますが、主人に生まれてすぐのわが子と会わせてあげたかったというのが一番の理由です。

上の子は生後2ヶ月の時にこちらへ連れてきましたので、初めて会えたのが産まれて2ヶ月。

写真などの画像では誕生時から見れていても、やはり実物とは全然違いますし、自分の手でしっかり抱いて欲しかったし、見て欲しかったのです。

この2ヶ月間の成長はとても著しいのです。


しかし、上の子も居る、主人も仕事で留守にすることが多いという状況でしたので、実家の母へ相談し、仕事に都合を付けてきてもらえることになり、こちらでの出産に決めました。


こちらでの出産を決めてから、中川先生の所で開催されていた妊婦教室に参加し、お産の流れから、こちらでの手続法等を学びつつ、それと合わせて出産する病院探しをしました。

デュッセル近辺で出産可能な病院のリストから、自宅から近いか、小児科が併設されているか、それに合わせて実際に出産した友達や知人からの情報を元に「エバンゲリッシュクランケンハウス」に決めました。

決めた大きな理由は、小児科が併設されている事と通訳さんをお願いできるという点でした。

ドイツ語が堪能でない私にとって、通訳さんを付けてもらえることはとても嬉しかったです。

出産自体は、2度目なのでなんとなく気持ちにも余裕がありましたが、言葉の面の不安が一番大きかったからです。

直接通訳さんに連絡を取り、予約、出産後・退院前検査の通訳をお願いしました。


そしてこの3つが確実に病院で費用も持ってくれるのです。

病院をここにしようと決めはしたものの、実際に行ったこともなかったので、ホームページで調べ、毎月2回ほど開催されている両親教室のようなものへ行きました。


正直、説明会、質疑応答など何を話しているのか分かりませんでしたが、分娩室、新生児室を見学させてもらえたことが一番良かったです。

実際に見ていると、「ここで産むのか」となんとなく気持ちの準備も出来た気がしました。


自宅からの距離の問題ですが、よほど近くない限りはどこも変わらないと思いました。


実際に産気づいてから行くことになるのですが、この状況で公共の交通機関を利用していくわけではないので、タクシーもしくは自家用車であればどこも同じくらいの距離かと思いました。


病院の予約は通訳さんが病院へ連絡をしてくれて、予定日の約1ヶ月前に一緒に予約をしてくださいました。

予約は、ヘバメと面談のような感じで進みました。

その時に、入院費用のことや、入院の際の病室(一人部屋が良いか)のこと、そのほか聞きたいことを質問できました。


私は二人目の出産ということもあり、お産は早く進むと言われていました。


それと8ヶ月頃から子宮口は開いては居ないけど、柔らかいから開きやすいといわれ、早産の可能性もあるし、いざお産が始まれば早いから、すぐに病院へ行くようにと言われていました。


そして、上の子供が居るから無理かもしれないけど、なるべく安静に、抱っこも控えて・・・と言われました。


実際、やはり安静、抱っこしないということは守れませんでしたが、気掛けてなるべくゆっくり、気持ちだけでもゆったり過ごすようにしました。


このこともあって、日本から手伝いに来てくれる母の来独時期を母の都合も合わせて考え、予定日の2週間前に来てもらうことにしました。


これは、上の息子も予定日から2週間ほど早かったこともあり、そして全部で6週間在独してもらえることになっていたのですが、上の子もいて手がかかるので、出来るだけ産後に長く居て欲しくて、決めました。


そして、万が一母の来独が間に合わない、主人も居ない状況を考えて、周りのお友達や知り合い、隣に住むドイツ人の大家さんへも万が一の時は上の子をお願いできるように頼みました。


上の子が居なければ、一人で産気づいてもタクシーで病院へ行き、言葉が出来なくてもなんとか出産できるだろうとは思いますが、やはり上の子が居ると連れて行って・・・と言う訳にもいかないので、このことも問題でした。


実際、出産は予定日から10日早かったのですが、正期産の時期でありましたし、母も来独して1週間経って居たときでお兄ちゃんもすっかり慣れ、家のこともある程度教えて覚えてもらって、そして主人も家にいる時でした。


上の子は、破水から始まったのですが、今回は陣痛からでした。

正直、「陣痛ってわかるかなぁ・・・痛い!っていうのは覚えてるけど、どんな痛さだっけ?」と2年前の記憶をたどりつつ、予定日が近づくにつれ不安一杯でした。

夜中の3時過ぎに「ズ~ン」というような痛みが下腹部に感じました。

夜中にトイレへ起きるのは妊娠してからは毎晩で、ひとまずトイレを済ませ、またベットへ戻りました。

一応時間を見て。


痛み自体はそんなに強くなく、でも弱いけど痛い、気のせいでもないと冷静に感じることが出来ていました。

そしてその後も10~15分おきに痛みを感じ、「おかしい」と思いまず主人を起こしました。


「もしかしたら陣痛かもしれない」と話、病院へ出られる用意をしてもらいました。

夜中でしたので、その横で息子はぐっすり眠ってくれていました。

そして母を起こして息子をお願いしました。


中川先生からも、陣痛が始まったら生まれるまで短いだろうからすぐに病院へ行くようにといわれていました。

なので、主人に病院のクライスザール(分娩室)へ連絡してもらってこれから行く旨を話し、すぐに向かいました。

通訳さんへも連絡をいれました。

が、連絡が付かずひとまず留守番電話にメッセージを入れて病院へ向かいました。

夜中でしたので、幸い道も空いており10分かからずに到着。

その頃陣痛の痛みも10分間隔ほどで痛みも強く感じるようになっていました。

病院へ行くと、すぐにクライスザールへ通され、ヘバメと挨拶を交わし、ベットへ横になり、子宮口のチェック、赤ちゃんの心電図を測りました。

やはり痛みは間違いなく陣痛だったし、子宮口も開いていて、そう遅くない時間に生まれるようだと言われました。


ベットの横になり、定期的に来る陣痛を腹式呼吸で耐えつつ、陣痛の合間にはヘバメから子宮口の状態や赤ちゃんの状態を聞き、隣で主人が通訳してくれて、私が答えて・・・というやり取りをしたりしました。

陣痛は勿論痛いのですが、2人目だから気持ちに余裕がありました。

そのせいか、オシッコをしたくなりました。

もうすぐ生まれるだろうけど、行っておきたいなと。

これも余裕のおかげなのでしょうか。


ヘバメへ話すと、「本当にオシッコ?大きいほうじゃない?どうしても行きたいの?」と聞かれました。

でもやはりどうしても行っておきたくて、行かせてもらいました。

「絶対に息んじゃダメよ」と念を押されましたが、勿論生まれちゃいますから息みませんでした。


途中、時間でヘバメの交代がありました。

きちんと状態などの伝達もされていたようで、主人が最初に「へその緒を切らせて欲しい」とお願いしていたことも伝わっていました。

私の友達は、お産が長くかかってヘバメの交代も何度かあったせいか、ご主人がへその緒を切りたいといっていたにもかかわらず、ヘバメが切ってしまい、切れなかったそうです。


陣痛の痛みも徐々に大きく、そして感覚も短くなり、今まで部屋から出て中々戻ってこなかったり、ウロウロと色々やっていたヘバメもベットのそばに付きっきりになりました。

気づいたら女医さんも横にいました。

私自身も痛みに耐えるのが精一杯。

分娩台は普通のベットで、頭のところが角度を付けられるようになっていて、少し高くしてあるだけで、掴まれるものも何も無かったので、こぶしを力強く握ったり、主人に手を握ってもらったりして、耐えました。


「次に痛みが来たら、大便をするような感じで息んで!」とヘバメから言われました。


そして、陣痛が来て力いっぱい息みました。

無事に出産、その瞬間力が全部抜け、「終わった・・・」と落ち着きました。

陣痛が始まってから約4時間、朝の7時16分に出産しました。

そして念願どおりに主人はへその緒を切らせてもらいました。

その後すぐに赤ちゃんを私の胸の上に連れてきて、抱っこしました。

日本でも最近良く行われている「カンガルーケア」です。


間近で生まれたばかりのわが子を抱き、目の前にし、この時やっと感動がこみ上げてきたように思いました。

それまでも、勿論感動してましたが、力尽きた!という気持ちのほうが大きかったように感じます。

そして、ヘバメが赤ちゃんの身体を洗ってくれ、身長体重計測。

身体を見て異常が無いかチェックしたりしていました。


私の身体は、産むときに会陰切開したようで、その傷を女医さんが縫ってくれました。

その間、主人へは子どもの名前など色々質問されていたようです。


私はその後、シャワーを浴びたいかを聞かれ、「産後すぐいいの?」と驚きながらも、身体も動ける余裕があったし、サッパリしたかったので、クライスザールのすぐ隣にあったシャワーを浴びに行きました。


戻ってきたら、赤ちゃんの腕に名前入りのビーズブレスレットがしてありました。これは退院時そのまま貰えました。

きっと取り違えなどの防止にもなっているのでしょう。


ドイツでは、出生届を病院の事務がやってくれます。

2日以内に書類をだすのですが、まだ名前をはっきり決めていなかったので、そのときのブレスレットには苗字でしてもらいました。


名前ですが、上の子の時に性別もお楽しみにしていて、男女の名前の候補を色々考えてはいましたが、実際生まれてから顔を見てみると「なんか違う・・・」と感じ、日本とドイツと離れていましたが、電話で話し合って二人で考えて決めました。

ですので、この二人目の時も産まれてすぐに名前を聞かれましたが、まだハッキリ決めておらず、二人で後で決めました。


出産後しばらくクライスザール横の廊下でベットに横になり過ごしました。

そこに赤ちゃんを連れてこられ、授乳をしました。

しばらくしたらベットごと入院病棟へ移動。

予約の際に1人部屋を希望していましたが、一杯のようで、3人部屋でした。

そのうちの1人は私とほぼ入れ替わりに退院のようで、2人になりました。

「空いたら一人部屋へ移れますから」と言われましたが、実際、入院期間の殆どを二人部屋で過ごすことになりました。


退院は自分で決められますが、私は主人が翌日から出張で不在だったため、月曜に出産して、土曜日まで入院しました。

病院で食事は、朝晩はパンにハム・チーズ・生野菜・ヨーグルト等。

いくつかの種類から食べたいものを希望できました。

昼食は温かい物で、5種類ほどのメニューから選ぶことが出来ました。

果物も、りんごやキウイが丸々1個付いてきたりしたので、小さいナイフなどがあると便利でした。

食事の際に飲み物を選べますが、私は母乳を出すために、STILL TEEを毎回頼みました。


飲み物はガス入りの水が1㍑瓶で2本ほど毎日常備して貰えます。

お湯とコーヒーは、廊下の途中においてあり、自由に使えました。

が、赤ちゃんから目を離してはいけないし、連れて行くとなるとベビーベットに乗せて・・・なので、中々もらいには行けませんでした。

病室には、トイレとシャワーが付いていました。


赤ちゃんは自室に連れてきても良いのですが、オムツ換えは新生児室で行わなければなりませんでした。

部屋からの移動は、必ずベットに乗せての移動でしたので、結構面倒くさい感じもしました。

新生児室には専門の看護師さんもいるし、授乳室もあるので、ゆったりしたイスに座って授乳も出来ました。

私は、ドイツ語が出来ないし、二人目ということもあり、聞くこともあまり無かったし、看護師さんも「何かあれば聞いて」とだけ言ってくれました。

でも、言葉が出来なくても、わかりやすい単語や英語も使って、色々と親切に話してくれました。


「あなたは二人目だから大丈夫ね」といいつつも、たまに病室へ尋ねてきて「問題ない?」と聞いてくれたり、適度な接し方といいますか、私にとって丁度いいくらいの感じで、あまりストレスに感じることもなく過ごせました。


病室の看護師さんもですが、こちら側から色々といわない限り、必要最低限しかやってくれないので、何か要求があればしっかり伝えることが大事だと思います。


私は、トラブルや問題は殆どありませんでしたが、ただ入院中、大きい方が全くでなくて苦しみました。


二人部屋でゆっくりトイレに入れない事もあるのでしょうが、やはり産後は力めないんです。


あと食事も関係しているかもしれません。


毎朝、先生の問診、初日と退院前には触診もありました。


その時にこの事を伝えて、下剤を出してもらいました。


ドイツ語で話せませんでしたが、以前この座談会に参加したときに頂いた、用語集を持参していて、片言のドイツ語と指差しで、上手く伝えることが出来ました。


ですので、電子辞書やこのいただいた用語集が大活躍します。


赤ちゃんの退院前の健診の際に、小児科の先生が診てくださいますが、その時に色々と聞きたいことがあれば聞けます。

黄疸の数値が少し高かった為、退院予定当日も朝から採血して検査しました。

その結果、その時は大丈夫で退院できたのですが、まだ少し高めだということで、翌日も検査に来るように言われました。

その後、数日置きに2度程通いましたが、入院治療等もすることなく済みました。


帰宅してから現在、二人の子育てにバタバタです。

ですので、妊婦の間に無理しない程度に色々とご主人と外出したり、楽しむ事をお勧めします。


今は、上の子も幼稚園へ通いだしましたが、1歳半の下の子にまだまだ手がかかり大変です。

そして今、3子目を授かり、来年2月に出産予定なのですが、また、ドイツでの出産を希望しています。

日本とドイツ、それぞれの出産を経験しましたが、また「ドイツで産もう!」と思っています。

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