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ドイツでの出産



出産日:2005年11月5日

場所 :マリエンホスピタルにて自然分娩


ドイツで妊娠をし、まず悩むのがドイツか日本かどちらで産むかということ。私もいろいろ考えましたが、ドイツで産めるという経験なんてめったにないことだと思い、こっちで産もうと決心した。ドイツは、日本より医学が発達しているし、全て保険でまかなわれるし、お産のスタイルを自分が決められるというのも魅力だった。もちろんデメリットもいろいろあったが、最終的には自分とわが子を信じよう、家族で支えあおうと思い、こちらで産むことに決めた。


そうなれば、病院選び。人によって言うことは違うが、マリエンホスピタルに決めた。知人が働いていたからだ。あとになって知ったことだが、日本人の助産婦さんも研修でいた。


(これは心強かった)各病院では、ELTERNABENDという説明会が定期的に行われている。大きいところだとエバンゲリッシュで60人ほどが集まっている。みんな質問をするので2時間くらい質問コーナーが続く。ドイツ語が堪能なら問題はないが、そうでなければ妊婦にとって座っているのも苦痛だろうから、見学したい旨を伝えて見に行くのが一番良いと思う。アポをとっていたとしても、急に分娩が始まったりすると忙しいらしいので、「今から行きますけど」というように連絡したほうが病院側も都合がいいらしい。エバンゲリッシュやUNIは小児科があるのでその点では安心だが、そのほかの病院でも24時間体制で小児科付属の病院に何かあれば送ってもらえるということだ。マリエンを決定するときにはそのことだけがちょっと心配だった。


痛みに弱いと思った私は、マリエンホスピタルで無痛分娩を希望し、教授に2度アポをとり、主人にまで事前に病院で面談してもらった。準備は万全のはずだった。


母子共に順調でこれといった問題もなく予定日1週間前から少量の出血が始まった。


それから2日後の晩、ちょっとした異変に気付いた。なんとなくおなかの痛みが定期的なような気がした。妊婦教室で「初産は24時間仕事だ」と言われたから落ち着けた。2時間ほどで用意を済ませ、時計は午前3時前だった。10分おきの陣痛になった時点で電話をした。「初産ならお風呂に入ってまだまだ我慢して」というのが病院側の対応だった。ドイツでもそうなのか・・・。耐えられないと思い、かなりの意志を伝えたつもりであったが、病院はあいにく工事中で十分な施設がないため、できるだけ家で待機したほうがよいとのことだった。仕方なく再度風呂に入って陣痛をしのいだ。それでもまだまだなんだろうな~とあきらめの境地でなんとかねばること更に2時間。なんともう3分おきの陣痛になっていた。やっと病院の許可がおり、主人と病院に着いたのは朝5時半だった。


なんとか主人にひきずられるように診察室までたどりついた。ああ、やっと・・・と思ったがそこからが長かった。ヘバメ(助産婦)がやってきて、「まず赤ちゃんの心電図を計るわね」と言ってなにやら数十分。「ああ、子宮口は、もう5センチね。いい感じだわ。」といわれたが「え、まだ5センチ?10センチまでまだまだではないか・・・」と呆然。「それから、これを記入してくれる?」と渡された書類なんと4枚。当たり前だがドイツ語。陣痛が消えたときに「あなたが言ってくれたら私はJAかNEINと答えるわ」と伝えた。日本ではどうなんだろう。私はこの事態を避けるために3回も病院に足を運び書類をすべて記入したいと伝えたはずだった。早く無痛分娩して!それを繰り返すだけの私だった。ヘバメは言った。「OK、でも無痛分娩にするには血液検査が必要だからここからちょっと離れてるけど、ついて来てください。」歩くしかない。陣痛がないときを見計らって・・・といきたいところだがなにせ3分間隔で、オラウータンみたいに主人にしがみつきながら、気力のみで歩いた。私は手首から血をとられ、無痛分娩の準備ということで背中を丸めて待った。しかし、待てども待てどもそれをする気配がない。


ヘバメは言った。「検査をしてから30分は結果を待たないといけないの。」と。でも病院に着てから既に1時間半経っていた。土曜の早朝という時間も悪かったのかもしれない。が、スタッフも少なく、約束だったはずの無痛分娩ができそうにもないということを実感してきた。教授は週末の早朝だから不在で別のお医者さんだった。スタッフの一人が私に伝えた。「朝7時だからそろそろ私は帰るわね。代わりの人が来るから。」と。その間数分だっただろうか。私と主人は二人っきりになった。そのとき、猛烈な痛みになった。とっさに主人に叫んだ。「誰かよんで来て。まずい。」出したらいいのか待たないといけないのかわからない。ヘバメがやってくると「あ、もう頭がでてきてるわ。ここで出してみる?」といきなりそこから自然分娩になってしまった。ここが分娩室だったとは。とほほと思いながら、がんばること30分。無事、元気な赤ちゃんを産めた。産後は、何度言ってもイスラム教用の食事で出されたので困った。退院後、助産婦さんが数回来て下さったのはとてもよかった。安心したし、体が痛いときにいろいろ必要なものを持ってきてもらえて助かった。


出産のスタイルは選べなかったのが非常に残念ですが、終わってみればよい思い出になりました。


これから出産を迎える方へのアドバイス:

役立ったのは、中川先生の妊婦教室。これで妊婦仲間もできて、今、楽しい仲間がいます。仲間がいるというのは心強いし、なにより子供たちの友達がいっぱい生まれる前からいるなんて、なんて恵まれているんだろうと思います。


羊水検査は、すばらしい技術だと思った。羊水検査専門施設で安心できた。


自然分娩、または帝王切開が決まっている人はドイツでの出産に問題はないと思います。無痛分娩を希望している人は、できない可能性もあると思います。(私も含めて)無痛分娩が出来なかった人は、土曜日の出産でした(聞いただけで3人います)。

会陰切開および抜糸、剃毛、浣腸などは全くないのがドイツでは主流。

入院中の食事はどこもあまり期待できない。

母乳信仰が日本より高く、母子同室が基本。

私は日本での出産をしたことがないので比較はできませんが、妊婦教室では2割の方が帰国されました。


初産だと不安ですが、結局出産および入院は、だいたい4日から1週間のことです。長いようであっという間です。問題はそのあとです。妊婦の時には「産んだら何とかなるだろう」と思っていましたが、相手は「生き物」ですし、私は産んだ日から「母親」として見られます。出産後は熱が出たりおっぱいが張って痛かったり、全身も疲労している中、昼夜とわずの赤ちゃんのお世話が待っています。この期間をどうのりきるかということだと思います。出産をどちらでするかというよりも、この期間をいかにストレスなく乗り切るかということが、私にとっては課題にしておけばよかったと思いました。娘はあと1ヶ月で1歳になりますが、未だに夜何回も起きますので、連続して6時間寝たことはまずありません。子育ては、長期戦で忍耐、体力あるのみだと痛感しています。


さまざまな条件が人によって違うので、自分ひとりで悩まずに周囲(家族、病院)などに相談して決めていくほうが良いと思います。


最後になりましたが、中川先生がいらっしゃったから、ドイツでの妊婦生活、そして今に至るまでがとても心強いものになりました。妊婦教室で最後に教えていただいた「夫婦仲良く、それが子供にも大切だ」とおっしゃった言葉を胸に生活しています。


改めまして、御礼申し上げますと共に今後ともよろしくお願いします。

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© 2020 by Sanfujinka Nakagawa.

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